新形式問題対応TOEIC公式問題集の問題タイプ分類および傾向(TEST 2)
まず、本日のTOEICを受験された方、お疲れ様でした。
これで従来形式の公開試験は終了となり、いよいよ来月から新形式TOEICが導入となります。
2006年の改定時もそうだったのですが、さすがに10年慣れ親しんだ試験形式が変わるのは名残惜しい気がします・・・
(IP試験は来年4月まで従来形式となるようですが、多少なりとも難化は見込まれそうです)
今回のブログでは、先月書いた「新形式問題対応公式問題集」のTEST1に引き続き、TEST2のパート別問題タイプ分類、傾向と対策を考えてみようと思います。
<パート1>(全6問)
①人物1人の写真(1問)
②人物複数の写真(3問)
③風景の写真(1問)
④室内の物だけの写真(1問)
★TEST 1, TEST 2を通しての感想:
特に難化傾向は見られず
<パート2>(全25問)
①WH疑問文(8問)
②How疑問文(3問)
③Yes/No疑問文(4問)
④依頼(1問)
⑤申し出(1問)
⑥提案(2問)
⑤否定疑問文(1問)
⑥付加疑問文(2問)
⑦A or B 疑問文(2問)
⑧ひとり言、感想、意見タイプ(1問)
★TEST 1, TEST 2を通しての感想:
パート1、2ともに目立った問題の難化、傾向の変化は特に感じませんでした。
今後もWH、How、Yes/No疑問文といった比較的簡単な応答が半分程度出題されると思われます。
初級者はこれらを確実に取れるようにリスニングトレーニングしましょう。
中上級者はパート2全問正解を目指し、「間接的な応答」も取れるようにしてください。
<パート3>
●パート3の会話文タイプ分類(全13セット)
①以前と同じ会話文の構成
=男女2名でそれぞれのセリフの担当は最大2回(8セット)
※男→女→男→女、もしくは男→女→男
②新形式の会話文構成(1)
=以前同様、男女2名は変わらないが、それぞれのセリフの担当は3回以上
(4セット)
※男→女→男→女→男→女→男→女など
※今までのように話者の発話回数が最大2回と決まっていないため、会話がどこで終わるか予測できない
(「この設問番号セットがこの形式」と決まっていないようなので、試験中予測は不可能です。)
③新形式の会話文(2)
=男女3名(1セット)
※TEST2の男女3名の会話は、仕事に関するトピック(在庫がどうの〜、注文数がどうの〜)じゃなかったため英語そのものは簡単でした。
★TEST 1, TEST 2を通しての感想(1):
新形式②の「やりとりが増えた会話」は、1人あたりの1回の発話量が減った分、話の展開はつかみやすくなった気はします。
★TEST 1, TEST 2を通しての感想(2):
新形式③の3名の会話は、
Questions XXX through YYY refer to ~ with three speakers.
を聞き逃すと3名の会話と気付かず、「あれ?さっき男性は"XXX"て言ってたのに今度は何で"YYY"?って言ってんの?」
と勘違いを生む可能性大です。
初級者には厳しいかもしれません。
●パート3の設問タイプ分類(全39問)
①おなじみの定型設問(15問)
=What is the problem?、Where are the speakers?、What does the woman offer to do?
などの「あ、またこれね」というパターン。
②非定型設問(19問)
③新形式の設問タイプ
=口語表現の意図を聞く問題(2問)
④新形式の設問タイプ
=図表を使った問題(3問)
★TEST 1, TEST 2を通しての感想(1):
TEST 1の記事でも書きましたが、どう考えてもパート3は難化です。
新形式の問題は「設問先読み」→「解答」のリズム感覚をつかみ、しっかりと戦略を立てて臨まないと、間違いなく叩きのめされます!
★TEST 1, TEST 2を通しての感想(2):
新形式③の「口語表現の意図」を聞く問題は、選択肢が長くなる傾向があるうえに、聴きながら解くタイプの人はこのタイプの問題のヒントを探しているうちに次のヒントを聞き逃してしまった!ということにならないように注意してください。
また長い選択肢は「動詞+目的語」を意識した“縦読み”による速読を身につけましょう。
いずれにせよ、「しっかりとした解答アプローチ」を身につける必要がありそうです。
★TEST 1, TEST 2を通しての感想(3):
どうやらPart 3の新形式④の「図表問題」は後半の3セット、つまりQ62-70に入ってくるようです。
TEST 1&2ともにこのパターンだったので、おそらく今後もセクション最初や真ん中で出てくることはないと思われます。
図表は上級レベルの方であれば、リスニングのポイントを掴むことができるため得点源になりそう。
<パート4>
●トークタイプの分類
従来通りで特に変化なし
●設問タイプの分類(全30問中)
①お決まりの定型タイプ(16問)
※パート3と比べ、パート4の定型設問は少ない、という傾向は変わらず
②非定型タイプ(9問)
③新形式の設問タイプ
=口語表現の意図を聞く問題(3問)
④新形式の設問タイプ
=図表を使った問題(2問)
★TEST 1, TEST 2を通しての感想(1):
新形式③「口語表現の意図」を聞く問題はパート3同様、「聴きながら解く」やり方は危険です。
下手をすると、この問題を落とした挙句、次の問題のヒントを聞き逃す、という最悪の可能性もあるのでしっかりと解答アプローチを身につけましょう。
★TEST 1, TEST 2を通しての感想(2):
新形式④「図表」は最後の2セット、つまりQ95-100で入る形になりそうです。
★TEST 1, TEST 2を通しての感想(3):
新形式の問題を落としたくないのであれば、「キーワードだけ取れば何となく解ける」という考えは捨てた方が良いでしょう。
<パート5>(全30問中)
・品詞問題(11問)
・動詞問題(1問)
・前置詞問題(2問)
・代名詞問題(1問)
・接続詞問題(1問)
・語彙問題(9問)
・複合タイプ(5問)
→「複合タイプ」とは私が自身のTOEIC教室で名付けている問題タイプで、
選択肢に「副詞、形容詞、前置詞、接続詞」のように異なる品詞が並び、それぞれの意味はもちろん、機能を知っていないと解けない「文法+語彙・語法力」を問われるタイプの問題を指します。
★TEST 1, TEST 2を通しての感想:
語彙や上記複合タイプの問題が半分を占めていることから、今後もしっかりとした文法、語彙・語法力が問われる試験になっていくかと。
Part 5の接続詞の問題は、ロジック判断を必要とするタイプの問題は少なく、このタイプはPart 6文脈タイプで出題が増えると思われます。
タイムマネジメントとしては、
満点を目指される方は7分。
900点オーバーを目指されるのであれば8分。
700点オーバーを目指されていて「パート7を全部解き切りたい」と考えられている方は9分。
このあたりを目安に時間管理されれば、最後まで解き切ることが可能となります。
600点オーバーを目指されている方で「少しでもパート7の解答数を増やして得点力アップにつなげたい」という方なら10分。
<パート6>
●設問タイプ (全16問中)
①独立タイプ(5問)
=全体の文脈に左右されず1文だけで解けるタイプの問題
②文脈タイプ(7問)
=1文だけでなく前後の文脈を判断しないと解けないタイプの問題
③新形式
=文挿入(4問)
★TEST 1, TEST 2を通しての感想(1):
初級者はPart 5と同じ①の「独立タイプ」の正答数を上げることを目標としてください。
問題比率はTEST1&2ともに
独立=5問
文脈=7問
といった感じで、「受験者にしっかりと読ませよう」という問題作成者の意図が伝わってきます。
★TEST 1, TEST 2を通しての感想(2):
新形式③の「文挿入」の不正解選択肢は、それほど嫌らしい物はなさそうです。
しっかりと頭から読んでいき、文脈理解がきちんとできれば恐るに足らず。
<パート7>
●文書タイプの分類(全15セット中)
①従来タイプ
=シングルパッセージ(8セット)
②従来タイプ
=ダブルパッセージ(2セット)
③新形式タイプ
=チャット(2セット)
④新形式タイプ
=トリプルパッセージ(3セット)
★TEST 1, TEST 2を通しての感想(1):
③の新形式タイプ「チャット」は2つ出題され、前半に出題される文書は短くて簡単(スマホ画面的な物、登場人物は2名)、後半は長くて難しい(PC画面、登場人物は3名以上)。
これからもこのパターンでしょう。
★TEST 1, TEST 2を通しての感想(2):
④の「トリプルパッセージ」はダブルパッセージの文書に比べると若干読みやすい物が入っている気がします。
問題作成者の小さな小さな優しさでしょうか。
●設問タイプ(全54問中)
[従来タイプ]
①概要/目的タイプ(7問)
②ピンポイントタイプ(12問)
③同義語タイプ(4問)
④NOTタイプ(1問)
⑤INDICATEタイプ(15問)
※reported, written, true, suggested 含む
⑥推測タイプ(2問)
⑦複数文書照合タイプ(9問)
=ダブルパッセージ、トリプルパッセージ特有の問題
[新形式タイプ]
①口語表現の意図(2問)
②文挿入(2問)
★文書のセット数は、
シングルパッセージ10セット
ダブルパッセージ2セット
トリプルパッセージ3セット
この出題割合は今後も変わりません。
★TEST 1, TEST 2を通しての感想(1):
新形式になっても依然として②の「ピンポイントタイプ」の設問は多いため、初級者はいかにしてこの問題を確実に取るかが得点アップの鍵を握ります。
★TEST 1, TEST 2を通しての感想(2):
従来形式の最近のTOEICの試験傾向もそうだったのですが、ここ最近⑤の「INDICATE型」がやたら増えてきました。
TEST1では11問/54問、TEST2ではなんと15問/54問とかなりのウェイトを占めています。
これは「小手先のテクニックではなく、しっかりとした英語力をつけてください」という問題作成者のETSからのメッセージだと僕は捉えています。
設問のポイントが漠然としてることが多く、大変ですが「解答方法」さえ身につければ、必ず自信を持って解けるようになります。
★TEST 1, TEST 2を通しての感想(3):
⑦の「複数文書を参照しないと解けない問題」が増えています。
ダブルパッセージ、トリプルパッセージを合わせたクロスレファランス型の問題は
TEST1で9問/25問。
TEST2も同じく9問/25問。
特にTEST2では196-200のセットで、INDICATEが2問、複数文書を参照しないと解けないクロスレファランス型が3問と、嫌がらせ以外の何物でもありません…
残念ですが、今後の傾向として覚悟するしかなさそうです。
★TEST 1, TEST 2を通しての感想(4):
新形式タイプ①の「口語表現の意図」を聞く問題は、チャット形式の2セットで必ず出題されるようです。
★TEST 1, TEST 2を通しての感想(5):
新形式タイプ②の「文挿入」はTEST 1&2ともに「記事(article)」とSPの最後のセットに入っていることから、今後もこの形になると思われます。
記事はもちろん、この形式は「要約力」を問われる問題なので、文が読めるだけではなく、「サマライジング」のトレーニングをしていく必要があります。
★TEST 1, TEST 2を通しての感想(6):
新形式④の「TP(トリプルパッセージ)」は、今の所3文書すべてを参照しないと解けない問題はなさそう。
基本はDP(ダブルパッセージ)と同じ解き方ですが、文書が増えたおかげで「設問がどの文書に該当するか」を素早く見極める更なる「サマライジング能力」が求められます。
新形式問題についての次回ブログでは5月の公開試験を受けた感想を書きたいと思います。
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